栄養かわらばん第9号

2000年3月発行
発行:日本臨床・公衆栄養研究会
発行者:井上 一也

特集 対談「日本の栄養士は20年遅れている」現状をどう打開するか


<出席者>  
 井上正子(研究会会長)
 結城聡(雑誌編集長)
 司会 木村和治 (広報部)

会長:この研究会では、会員栄養士の知識・技術の向上に少しでも役立つよう、研究会として年間に8回の講演会と料理の勉強会のセンスアップを実施しています。しかし、この講演会の講師でお招きする有力な先生方のお話の中では、口を揃えるように「日本の栄養士は20年遅れている」という発言がなされます。
 21世紀に栄養士が自信を持って社会的使命を果たすために、「20年の遅れとは何か、どうすればよいか」を謙虚に反省して、栄養士の在り方や役割の基本に立ち返えり、「20年の遅れを取り戻す」をテーマに、今年の研究会を計画・実施することにしました。
 そこで、この企画をどのように進めるかについて、私と結城聡氏(栄養士向け専門誌「ヘルスケアレストラン」編集長)の考え・意見を、広報部理事の木村和治氏(生活習慣研究機構代表)の司会で対談として纏めていただくことにしました。。
司会:「20年の遅れ」ということに対して、会長はどのように受け止められていますか。
会長:私の記憶では、20年前から「日本の栄養士は20年遅れている」と学会の基調講演や特別講演などで話が出ています。直接伺ったのは、この研究会で細谷先生と中村先生からです。
司会:「20年遅れている」という場合、発言される先生方は、何がどのように、どこの国と比べて遅れていると判断しているのでしょうか。
会長:それについては、今までに具体的にしっかりお聞きしていないので、これからの講演会で教えて頂きたいと考えています。単に、「20年遅れている」という一言だけで、「どこをどうすべきか原因は何なのか」という指摘がないので、例えば、栄養士の仕事に関して、全て20年遅れているのか、この部分は10年であったり、または同等か、むしろ日本の方が進んでいるのか、その対策の現状など、世界の各国を並べて、日本がどの位置にいるのか、お伺いしたいと思います。
司会:この研究会が発足してから12年目を迎え、会員は実務に携わっている栄養士が中心となっています。日頃、栄養士と接触していて、会長からみて「栄養士が遅れている」と感じられることがありますか。
会長:そうですね、20年の遅れはともかく、もっと勉強しなければならないとは感じています。他の医療関係者と専門性の点で肩を並べるには、臨床面でいろいろな資料を積極的に勉強し体験もする必要がありますが、勉強への取り組みが甘く体制もできていないと思います。ただ、「20年遅れている」と言う場合、主に技術的なことをおっしゃっていると思いますが、「遅れている」と言っているだけでは、何の解決にもならないので、行政をはじめとして学校などの教育の場、仕事の現場などが連携して栄養士の実務を改め、諸外国と同じ機構にして、栄養士の業務を作らないと20年の遅れを取り戻すことは無理だと思います。
司会:機構に問題があって栄養士の活躍する機会や場が少なく、充分にその役目を果たせないので「遅れている」ということになるのでしょうか。「ヘルスケアレストラン」という栄養士向け専門雑誌の編集に携わっている立場で、結城さんはどのようにお考えですか。
結城:「何年遅れているか」は、断言できませんが、「何が遅れているか」の物差しは、栄養士の活躍する場が、病院、福祉行政、学校給食など、幅が広い中で一番高度なものが要求される医療現場で、欧米と比較して遅れていると言われるのではないかと思います。とくに、中村丁次先生は医療の現場にいらっしゃるので、そこでの比較が容易にできるのではないかと思います。
 細谷先生や中村先生がお話しする遅れのことを病院の栄養士に限定すると、仕事の内容が献立・調理でしかないこと、欧米などの国では、栄養士の役割には、病棟に行って「栄養アセスメント」の仕事があります。患者の身体を計測をして、栄養改善を指導したり、医療チームの一員としての役割を果たしています。日本では、それが全くできていません。かって、私どもの雑誌が特集で「脱モグラ宣言」をやりました。それは病院の栄養士の仕事場が地下にあることから、そこからの脱出を奨励するキャンペーンです。
次に、中村先生は、欧米だけでなくマレーシアの栄養士に比べても遅れているとおっしゃっています。なぜかと言えば、マレーシアではトップレベルの栄養士をどんどんアメリカに留学させ、学習成果を持ち帰って、自国の制度の中に組み込んでいるようです。
日本では医療教育で栄養学のカリキュラムを組み込んでいる医科大学が少なく、また栄養士教育では、臨床的な教育がないので、医師と栄養士は共通の会話ができていないことが問題です。
司会: 欧米に比べて20年遅れている現状に対して、栄養士の養成機関は、どのような取り組みをしているのでしょう。
結城:今、栄養士法の改正が通常国会に提出されていますが、内容は妥協の産物です。当初は、欧米に追いつくための理想的な管理栄養士免許制度として、臨床栄養教育の充実を盛り込んでいましたが、短大や専門校の団体か反対で、大幅になし崩しにされています。
アメリカでは、臨床栄養士の養成が中心であり、学校を出たら確実に戦力になるカリキュラムが組まれているようです。
司会:生活習慣病の対策を踏まえての栄養士のあり方を行政や教育現場、職場などはどのように考えているのでしょうか。
会長:生活習慣病対策では、行政としても第一次予防の確立を目指しています。その中でも栄養が大切であることは認識され、国民に対しても自己管理ができるように栄養士が指導することが望ましいとされ栄養士会でもそのように受け止めています。しかし、第一次予防を進める国策であっても、栄養士の活発な仕事にはなっていません。

栄養士の仕事の領域は、臨床栄養・公衆栄養・給食栄養の3つに大きく分けられまが、話題にしている栄養士のレベルアップを考えた場合、臨床にたずさわる栄養士の占める割合は極めて人数が少ないのです。
結城:日本にいる栄養士の人数は、60〜70万
人前後といわれ、その中で栄養士会に登録している人は、約1割の6〜7万人です。そして、病院栄養士協議会に加入している人は、2万2千人、福祉関係が9千人、地域活動協議会加入者は9千数百人です。
会長:「20年遅れている栄養士」が、主に病院勤務栄養士の技術的面の遅れのことなら、栄養士全体の遅れのように捉える必要はないのではないか。そして、遅れがあるなら、病院の中で取り戻すような仕組みをつくるべきです。例えば、栄養士に経腸栄養なり静脈栄養なりに関わらせてくれるのかどうか。だめなら、それを教育しても活かせない。
そうした遅れは栄養士自身でなく、栄養士を活躍させる仕組みが立ち遅れているため、ということをハッキリさせないと、栄養士業務の改善はできません。よく日本は基礎医学にお金をかけないので医療にも立ち遅れがあると嘆く声が聞かれますが、栄養は本当に人の健康の基礎を扱う分野だけにそれがさらにひどいのではないかと思います。その点についても、今年の講演会で各先生方にハッキリお話を頂きたいと思います。
司会:「20年遅れている栄養士」という問題提起に対して、日本臨床公衆栄養研究会は、講演会とセンスアップの勉強会を通して、どのような取り組みをするのでしょうか。
会長:研究会では栄養士に勉強の場を設け知識をもって活動できるように図っています。
また、この日本医療栄養センターの業務は「医療と栄養で健康をつくる」という主旨なので、栄養士に人々の健康に貢献する栄養の仕事をできるだけ多く渡し、それを通して実力のある栄養士を数多く育てたいと考えています。
司会: 「栄養士の20年の遅れを取り戻す」の課題を解決するために、今年の講演会とセンスアップの内容やスケジュールは、例年と大きく変わると思いますが、会長には宜しくご指導をお願い致します。本日は、お忙しい中ありがとうございました。        (文責  広報部 木村和治)


センスアップクッキング
ルーミートクツキング(平成12年2月19日)

講師: 新宿十二社にある破風料理「巽」
酒井正二
最初にKKバセルの長友氏(会員)より今なぜルーミート(カンガル-肉)が注目されているかについて説明がありました。また日本国内のお店もご紹介くださいました。
@ ルーミートは、もともとオーストラリアの原
住民(アボリジニー)の主たんぱく源とされていた食肉であった。
A ルーミートは健康食肉である。それは低脂肪、
高たんぱく、低コレステロールであるからである。健康度への研究結果でも、体重の減少、血清グルコース、中性脂肪、コレステロールの減少などが見られた.脂肪酸組成ではビーフポーク、ラム肉に比べ飽和脂肪酸が少なく、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸が多くなっている。
B ルーミートは、オーストラリア政府の指導に
より組織的に大量に供給可能な食肉である。衛生管理もしっかりできている。オーストラリアではルーミートが食べられるレストランや肉を売る店が増えている。
ルーミートを使った料理
@たたきサラダ仕立て
フィレ肉のたたきを薄切りにして.せん切り野菜とともに盛りつける。これを3種のタレをつけて食べる。(にんにく、しようがの入ったしょうゆ味、ポン酢にチリソースを入れた辛み味人参、りんごのすりおろしを入れたドレッシング味) 肉はあっさりしていて柔らかく、それぞれ違った味のソースでおいしくいただきました。
Aステーキ・味噌ソース
フィレ肉をさっと焼き、赤味噌に赤ワインを入れたソースで食べる。付け合せは、せん切りの揚げごぼうとフライドガーリックです。味噌味のソースにとてもよく合っていました。
B香草カツレツパン粉焼き
パン粉にバジル、松の実、オレガノ、タイム、などの香草を混ぜ肉につけ、シードオイル(ぶどうの種からとった油)をフライパンに多めに入れ両面焼く。付け合せは、りんごのうすぎりをバターソテーし赤ワインパウダー(業務用)をかける。ソースはたたきトマト、すりおろした人参、りんごを混ぜた色のきれいなものです。
C テール肉ココナッツミルクカレ一風味
テール肉を8時間位茹でるとテールに含まれるゼラチン質がとけだし、コクのある風味が出る。そこへ玉葱、人参、ブロッコリーなどの野菜を入れ、にんにく、しょうがをいためて、白ワイン、牛乳、ココナッツミルクで作ったソースを入れて味をつける。やさしい味のシチューです。
D 破風流酒井オリジナル肉だんご
ミンチにした肉に味付けし、蒸してから油で揚げ、りんご、玉葱、アガリスクなどの入った特製ソースをかけて食べる。
ルーミートは脂肪が少なく、水分が多いため焼きすぎないことがコツだそうです。どのお料理も大変おいしくいただきました。特にソースの味や付け合せの野菜のさまざまな工夫に、参考になることがたくさんありました。日本ではまだなじみのないものですが、21世紀に向けて新しい食材の一つになるのではないかと思いいました。  山岸由美子(会員)

もともと食肉だったルーミート
          (カンガルー肉)
 バセル株式会社 長友信(会員)
ルーミートの話しをすると必ず『カンガルーは食べられるのですか?』と聞かれます。そして、その答えはもろろん『イエス』です。オーストラリアの先住民アボリジニーが、4万年に渡って培ってきた食の形態をオーストラリアではブッシュフードと呼んでいます。ブッシュフードとは、アボリジニーがオーストラリア大陸特有の薬草、香辛料、野菜、果物、魚介類それにカンガルーをはじめとする野生動物を使ってきたアボリジニー独自の食事形態のことを指します。そして、カンガルーは彼等にとって重要な蛋白源となっていただけでなく、私たちが普通に牛や豚を食べる感覚でカンガルーを食べてきました。これまで、アボリジニーの食文化が広く私たちに紹介されていなかったためにカンガルーが食用として供されていたことを知らなかっただけのことです。
 日本では、ルーミート(カンガルー肉)はそれほど馴染みのある食材ではありませんがオーストラリア国内では驚くほど広く一般に浸透しています。一流レストランやホテルはもちろんのことスーパーの食肉売り場で販売されていますし、南オーストラリアではルーミート専門店まで出現しています。ヨーロッパにおいてもドイツ、スイス、スエーデン等を中心に需要が増えてきており(1998年のヨーロッパへの輸出実績は約5000トン)、特に狂牛病やダイオキシン問題が発生してから多くの人々の視線がルーミートに向けるれています。
ルーミートは健康食肉
それでは、何故最近ルーミートが脚光を浴び始めたのでしょうか?それは、1983年にメルボルン大学の生活習慣病の専門家であるオデア博士がオーストラリア先住民であるアボリジニーの食生活に光を当て学会で発表したことに始まります。
 先進国病とも言われている生活習慣病を研究している過程で、オデア博士は都市部に居住しているアボリジニーと内陸部で伝統的な生活をしているアボリジニーの健康面で大きな違いのあることに気づいたのです。何と、内陸部に居住していて伝統的な食生活を守っているアボリジニーには、生活習慣病と言われる糖尿病、高血圧、心臓病等の疾患がほとんとなかったのです。そして、その大きな原因としてオデア博士が注目したのがルーミートを主蛋白源とするブッシュフードでした。特に、食肉としてのルーミートは他の食肉に見られない特性が隠されていました。分析の結果、部位にかかわらず脂肪含有量(100gあたり1〜2%)が極端に低く、さらに高蛋白、低コレステロールの健康食肉であることが判明しました。オデア博士の学会での発表が、現代人の食生活に対する警告としてオーストラリアのマスコミで大きく取り上げられ、ルーミートが健康食肉であることが一般に認識されることとなりました。そして、今ではオーストラリア心臓病財団が食生活改善のための推奨食材に認定するまでになりました。1985年位からその価値が見直されはじめ、現在では数多くのファイブ・スターホテルや高級レストランでブッシュフード素材がオーストラリア独自の味として採用されています。とくにルーミ−ト(カンガルー)料理は肉質の良さと低脂肪、低コレステロール、高蛋白そして汚染されていないというヘルシーな要素、さらに洗練されたレシピーとファッション性が多くのグルメファンを魅了しています。
いま、オーストラリアでは、ブッシュフードの素材を基にアングロオーストラリアン、イタリアン、フレンチ、アジア(日本・タイ・インド・中華等)のレシビーや味付けをフュージョン(融台)した新しいオーストラリアの味を作り出しています。この新しいオーストラリア料理の流行は、オーストラリア社会の多民族・多文化融合が進行していることを象徴的に現わしている現象で、将来オーストラリアを代表する伝統料理の一つとなる可能性を秘めています。
サラダ感覚の健康食肉・ルーミート
ただ単にルーミートが、健康食肉だからといつて広く浸透するわけではありません。それは、ルーミートが本当においしいからです。肉にクセが無くいろいろな香辛料や調味料になじみやすく、サツパリした食感。そして赤身の肉でありながらとても柔らかい。それがルーミートです。事実、オーストラリアのホテルやレストランで出されている料理として“カンガルーマリネと野菜サラダのコンビネーション”は、非常にポピュラーなメニューの一つです。
ゲームミート(野生肉)だから体に優しい
 今、世界の先進国ではゲームミート(野生肉)に熱い視線が注がれています。ルーミートが人気なのは、低脂肪、高蛋白、低コレステロールというだけではありません。ルーミートがゲームミート(野生肉)だからです。ルーミートは、世界で一番クリーンな大地と言われているオーストラリアの大自然で育った野生カンガルーを捕獲して近代的な専門工湯で食肉として処理されています。したがって、添加物や抗生物質あるいはダイオキシン等の化学物質に汚染されていない体に優しい食肉です。ルーミートは、世界で唯一組織的にしかも大量(300・400万頭:5〜6万トン)に供給可能な野生肉です。
「ルーミート」クッキング
ルーミートを料理する時のキーワードは『焼きすきず』です。
ルーミートは脂肪が少なく水分が多いため、焼きすぎたりした場合、肉がドライになり固くなる傾向があります。また、調理をする前に15・20分程度『オリーブオイル』につけておくとおいしく食べられます。
◎ カンガルーテールスープ
カンガルーテールスープは、美味いのでオーストラリア国内において、多くのオーストラリア人の間で好評なレシピーの1つです。スープ全体の味はあっさりしていますが、骨に付着している肉とゼラチン質のコンビネーションがコクのある風味を作り出しています。
◎ カンガルーヒレステーキ
オーストラリア伝統料理(ブッシュフード)レストランでは、メインメニューとして常に入っています。カンガルーステーキは通常レアかミディアムレアで調理されています。脂肪が少ないために淡泊な味ですが、肉が非常に軟らかいためとても食べやすくなっています。味付けは塩・胡椒のみでも良いし、ステーキソースや醤油にも良くなじみます。
◎ カンガルーカルパッチョ
オーストラリア伝統料理(ブッシュフード)レストランの定番メミュー。牛のタタキを連想して下さい。味付けにはいろいろなバリエーションがありますが、塩・胡椒だけのシンプルな味や、マリネ風にドレッシングを活用してサラダの添え物として食する場合も多々あります。日本国内ではタタキにしてワサビ醤油やニンニク醤油で食されている例が多いようです。
◎ カンガルーつくね
これは日本国内のレストランで既にメニューとして採用している例で、ハーブをルーミートミンチにミックスしたもの。やはり、味は淡白で若い女性に大好評です。
◎ カンガルー串揚げ
揚げることによって、油が程よくルーミートに浸透しアッサリしたなかにもジューシーな肉の感触を楽しむことができます。トリの串揚げと比較した場合、歯こたえと風味は牛肉に非常に近いと好評です。
消費音に身近になりつつあるルーミート
健康食肉としてルーミートは静かに、しかし着実に日本の消費者に広がりつつあります。ひょっとしたらあなたの近所のレストランでルーミート料理がメニューとして出ているかもしれません。現在、次々とルーミート料理を出しているレストランが増えています。ここでは、紙面の都合で全てのレストランを紹介することはできませんが、新宿の破風料理店『巽』やアフリカ料理の『ローズ・ド・サハラ』、銀座の『串ふじ』、横浜の自然食居酒屋『サマデー』などはお薦めです。また、麻布のスーパー『ニッシンワールドデリカテッセン』、自然食の『オーガニツクガーデン』港南台高島屋店や小金井店、さらに虎ノ門にある『グルメハウス東京』では、一般に市販されています。
ルーミートと環境保護国体
カンガルーの捕獲に関して、オーストラリア政府は生態系および動物保護という観点から非常に厳しい基準を業者に課しており、多くのオーストラリア人はカンガルーの捕獲を必要な事として認めています。その理由として、以下の事項があげられます。
@1998年度におけるカンガルー総頭数は、政府環境保護局発表によると4000〜4500万頭に達しており毎年300-400万頭捕獲しなければなりません。放置しておくとオーストラリアの基幹産業である農・牧畜業が壊滅するだけでなく、現在のオーストラリアの環境バランスがさらに崩れてしまう可能性があります。
Aカンガルーが増加する原因は、人間がオーストラリアの生態系を破壊したことにあります。具体的には、カンガルーの天敵である野生犬(ディンゴ)を絶滅状況に追い込んだことと農業用潅漑設備が整備されたことです。カンガルーの雌はかんばつ等で水が不足すると自動的に生殖作用が止まってしまいますが、現在では潅漑設備のおかげで天候に大きく左右されることなく水が手に入るようになりました。
Bこうした状況下でオーストラリア政府は、カンガルーの捕獲と保護に関する厳しい規制を制定しカンガルーの数をコントロールするために毎年絶滅の恐れのない種類(主にアカカンガルー、ハイイロカンガルー、ワラビー等)の捕獲枠を設定しています。捕獲についても免許を持ったハンターのみが捕獲することが許されており、しかも捕獲方法に関してカンガルーが怯えたり、苦しまないよう夜間のみで瞬間的な屠殺法(ライフルで頭を打抜く)が指定されています。
Cさらに、オーストラリア政府はカンガルー革と肉の質の良さとその需要が多いことから最近では、カンガルーを資源としてとらえるようになり、カンガルー産業の育成に力を入れ始めています。
Dしたがって、カンガルー産業は鯨やイルカ等とは状況が全く異なります。
ルーミートの食肉処理と衛生管理
オーストラリアは食品の衛生管理について世界で最も厳しい基準を設けていることで知られています。たとえば、当社のルーミートを製造しているサザンゲームミート社の肉処理工場には週一回必ず州の担当官が3人訪問し、肉処理工程を始め衛生管理状態を検査することで消費者が安心して食べられる食肉を提供できるよう制度化されています。サザンゲームミート社はオーストラリア最大のルーミートパッカー(処理業者)でありルーミートのパイオニアです。オーストラリアで20年近い歴史を持っています。また、親会社のバシツク社はオーストラリア最大の力ンガルー原皮業者です。サヴンゲームミート社は最高の品質を保持しているだけでなく、サザンゲームミート社が生産するルーミートは唯一オーストラリア心臓病財団の食生活改善推奨品となっています。


会員だより
総合健康研究所について
総合健康研究所 代表 菅野隆(会員)
「総合健康研究所」を設立して4年目を迎えました。多くの方々にご支援いただき、ここまでくることができたことに感謝するばかりです。「総合健康研究所」の業務内容と致しましては、企業の健保、総務、人事、健康相談室などを中心に「健康増進」に関わることを全般的にお手伝いさせていただいております。具体的には、@健康増進企画や健康増進セミナーの企画運営、Aテキスト、ビデオの健康教材の企画作成、B機関誌への健康原稿連載、C健康相談、講演、実技指導、D骨密度の測定などが現在のところ主なのですが、ニーズやご要望に対応して、できることは何でもさせていただく所存でおります。おかげさまでこの3年間で、お仕事をさせていただいた法人、団体数は100社を超え、講演・実技指導は年間30回程度、健康相談は年間1000人以上させていただいております。
 「健康」に対する「意味づけ」は、なかなか概念としては抽象的で、私も仕事を通じて「何だろう」と考えさせられることがしばしばです。「人生で一番大事なもの、基本」などとよく耳にし、今や健康というコンセプトがなければ商品も売れないなど、介護保険法のスタートと相まりその関心は高まるばかりであり、それが現場でひしひしと肌で感じられます。
 手のひらに乗せて「これが私の健康です」と触れてみることはできません。流動的であり、食事、運動、心の状態などの生活習慣や遺伝、環境などが総合的に関わって、その「在りよう」、体内の自然バランスが調和のとれた状態をいうのでしょうか。医学的定義から、個人に応じた定義、さらには、東洋的「気」の定義、エコロジカルな定義など、なかなか様々であり、「総合健康研究所」という名で仕事をさせていただいている私も日々勉強といったところです。
 私はもともと運動生理学が専門で、運動療法などを研究してまいりましたが、栄養の分野では「日本臨床・公衆栄養研究会」で勉強させていただいております。井上先生をはじめ、中村先生、折茂先生などの超一流の先生方から講演会や懇親会でご指導いただいたことはひじょうに仕事に役立っており、食生活と健康の関わりの重要性を痛感しております。「健康」なるものの現時点での私の理解と致しましては、「全てに調和し、感謝して、自然に、自分らしく、楽しく生き、ほどほどに体を動かし、バランスよくほどほどに食す」ということではないかと思っているのですが、実践となるとなかなかこれが、煩悩、自我の塊である私としては至難の技ではあります。
 「総合健康研究所」の今後の方向性と致しましては、さまざまな分野の「健康理論、実践方法」を研究、整理、統合し、より簡単に、分かりやすく一般化して提供させていただくことによって、一人でも多くの方の、健康と豊かな生活のお役に立てることを理想に、業務を展開していこうと決意しております。何とぞ今後とも、ご指導、ご支援いただけますようよろしくお願い申し上げます。


コンピュータ業界の事実
情報ビジネス研究機構 吉田武男(会員)

 コンピュータ業界は日進月歩の進化が止まることがありません。半年も経てば新しいテクノロジーが開発され、せっかく買ったコンピュータも一年経てば、同じ仕様のもので半値で売られています。今回、インターネットについてなどを説明するつもりでしたが、栄養士とはあまり関係ないでしょうが、ゴシップ的な内容を掲載致します。
コンピュータ会社は何故お客を騙すか?
 騙すと言うと聞こえが悪いですが、私もその仲間であるわけで、コンピュータと言うものは、ハードウエアは価値としてわかりやすいが、必ずソフトウエアが存在し、これが曲者で価値がわかりづらい。しかも高い。
 しかし、考えてほしいのは、パソコンをはじめコンピュータのハードウエアの進化はおそろしいほどのスピードで進化し価格も安くなっていますが、ソフトウエアは所詮人間が作り、動かすのですから価格を大幅に安くできない事情もあります。アプリケーションとして、何十万本も売れれば安く売ることも可能でしょうが、現実にはそうはいきません。
 たとえば、秋葉原で30万円のコンピュータのセットを買ったとしましょう。周辺機器も含め出張、設置・調整を依頼すれば、5万円ぐらいは取られるでしょう。さらに、いろんな業務のアプリケーションの指導などを頼めば、メーカーなどは2時間3万円などの出張指導料を取るところもあるらしい。このように、安く買っても自分でできなければ、お金はかかることも理解して頂きたい。
 コンピュータ会社の肩を持っているようですが、基本的なことを理解した上で、騙しているところを説明していきたいと思います。
 前記しました、「インターネット」「イントラネット」「エクストラネット」を題に考えて見ると、この三つはインターネットプロトコルであるTCP/IPを利用した通信ネットワークであり、同一のものであるのです。その違いをいえば、インターネットは世界中のサーバーと接続していること、イントラネットは、主に企業や組織の中だけのネットワークで、エクストラネットは、外部の企業間、つまりイントラネットを、インターネットを利用してネットワークを構築するシステムです。
 ちょっと、ややっこしい話ではありますが、根本的にはインターネットが基本となり、そこにセキュリティ、認証などを強化しただけの話です。
 それを、すごいことのように、コンピュータ、コンサルティングの営業マンは、「これからはエクストラネットですよ」などと恥ずかしげもなく営業をしているわけです。最近の外資系コンピュータメーカーのテレビコマーシャルを見ても、「e―ビジネス」「e―コマース」などの言葉を多く使っています。
 酒屋さんがインターネットを利用し、フランスのレストランに日本酒を販売するCMがありますが、インターネットを良く理解している人は、特別驚くことではないし、また、そのメーカーだからできることでもないことは解っています。しかし、それがすごいことのように宣伝しています。この広告の問題点は、まず、酒屋のオヤジがフランス語が話せるかということ、輸入規制の厳しいヨーロッパに簡単に輸出できるかということ、こちらのことが大問題で、この問題はコンピュータ会社は当然のことながらまったくサポートすることができません。
 コンピュータ会社、コンサルティング会社などは、物の買い替え需要を起こさせるために言葉を新しく作り出し、最先端の商品を導入することのメリットをコンセプトに、商品の売込みをかけます。今年は年初から新聞紙上でも企業のトップの挨拶で「IT」と言う言葉が良く目にしました。「IT」? 昔ETという映画がありましたが、それとは違います。インフォメーションテクノロジーの略で、日本語では「情報関連技術」で、別に大声を上げて言うほどのことでもありません。技術革新的発明でもしたのなら別ですが・・・・・
 それでは、何故、これほどまで新しいコンセプトを打ち出し営業しなければならないのか? それは、新規の顧客を獲得できないからです。それがゆえ、既存の顧客の購入意欲を煽り、買い替え需要を狙うわけです。メーカーとしては同じ物を多く長く、販売したほうが利益は大きくなるわけですから、そのほうが得なのですが、新規のお客が居ない以上しょうがないことです。証券会社や先物取引会社などと、実は一緒なのです。
 これらに騙されないためには、自分自身、良く商品を理解し、自分のために何が必要かを良く見極めた上で購入する必要があります。しかし、自分が出来ないからコンピュータの良くわかる社員にやらせようと思うとまた失敗の繰り返しになりますので注意してください。
 私が現在コンサルティングをしている顧客で、担当の社員が辞めたので見てほしいと相談され訪問しましたところ、この社長は、担当社員に全てを任せて、自身は言いなりになっていたことがわかりました。インターネットについても3年前からE-mailは使っていたので、インターネットを十分に利用しているつもりになっていたのですが、実はほとんど何もしていなかったのです。社内のコンピュータシステムもかけたお金のわりに何もできないシステムでした。
 社内のシステムについては、すでにある機器を最大限に利用し、再構築し、LANのシステムを利用しやすいように作り直し、また、インターネットは専用ドメインを取得し、ホームページを作成し、現在はこれによる売上が増加し非常に感謝されております。
メーカー系のコンピュータ会社に相談した場合どうなるでしょうか? 当然、自分のブランド以外の機器は買い替えとなるでしょう。システム自体も「今、ご利用のシステムは古いから最先端のシステムを導入しましょう」など大金を払わせようとするでしょう。その後も運営は機器の保守程度で、売上に貢献できるサポートは望めません。つまり、後は社内で勝手に運営してください。とまあ、こんな感じです。大手企業は電算室を持っているので、これで良いのですが中小企業はこれでは困ります。
 これを、読んだあなたは、今後コンピュータに関わらず物を購入する場合、ご自身でよく研究し購入することをお勧めします。
この内容は、私が販促用に書いた小冊子『儲けるためのインターネット』の中で掲載している内容です。ご希望の方がおりましたら、郵送いたしますのでご連絡ください。(FAX:044-976-9594 E-mail :t-yoshida@isyokujyu.or.jp)


編集後記
今思うこと、20世紀は科学進歩の時代と言われているが、人間の欲望が自然を壊した時代でもあった。原爆を作り、遺伝子の研究は生命まで変えようとしている。目先の便利さと欲望のため、繁栄のためと称して今も続けられている。
21世紀を背負う子供達まで危ない。お金が有ればなんでも出来ると思っている。物の有り難さを知らない。優しい心がない。全て教育の問題である。子供たちに物の有り難さを知ってほしくて物作りを始めて10年、身近に有る材料(牛乳パック、ペットボトル、空き缶)を使い動く玩具を作って見せると欲しがるがあげない。一緒に作ることで楽しさを知ってもらいたいと思っている。
栄養の関係ではバイオ食品(遺伝子組み換え食品)の安全性はどうなのか。大豆は95%を輸入に頼っているようだが、生産者は自分の食べるものと出荷する物と分けているとも聞く。危機感は私の歳のせいだろうか。     広報部 椿八郎

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