栄養小話 第21話 日本の元気パワーを作る大豆イソフラボンに世界が注目
大豆は良質のたんぱく質を多く含み、日本では「畑の肉」と言われるほど栄養価が認められてきた食品です。更にここ15-16年の間に、イソフラボンという大豆の含有物質に注目が集まるようになりました。これは大豆に含まれる植物性化学物質(フィトケミカル)で、"アク"いわゆる「えぐ味」のもとです。つまり、当初は歓迎される物質ではなかったのですが、最近の研究で、更年期障害をはじめ骨粗鬆症、ガンや心臓病、その他さまざまな病気の、予防や軽減の働きがあることがわかってきたのです。
それまで大豆の多くを家畜の飼料とみなしていたアメリカをはじめ、世界の目がイソフラボンに向けられるようになりました。日木人の長寿の秘密は、実は大豆食品にあったとさえ言われ、健康補肋食品として抽出加工したイソフラボンが各国で市販されるようになってきました。イソフラボンは、植物の中でも大豆、特にその胚軸(芽)に多く含まれています。欧米の研究者が注目するようになった一つのきっかけは、欧米人に多い乳ガン、前立腺ガン、大腸ガンなどエストロゲンという女性ホルモンの影響を受けるガンや心臓病が、アジア人には少ないということに気がついたからです。
エストロゲンが深く関わる病気が少ないということは、イソフラボンにエストロゲンのような性質があることを示しています。化学構造も非常に似ています。植物の成分ですから、人間のホルモンの定義を当てはめることはできませんが、種子の発芽や成長を調整している点で、同様の働きをしていると言っていいでしょう。そのため「女性様ホルモン」ともいわれます。
女性は閉経後に体の不調調を覚えることが少なくありません。いわゆる更年期障害です。これはエストロゲンの分泌が減りホルモン全体のバランスが乱れて起こるもので、個人差はありありますが、顔面紅潮、頭痛、頭重、倦怠感、動悸、肩こりなどの症状があります。ただこれらの症状は疾病というより老化の一過程とみなされ、不定愁訴と呼ばれています。つらいものですが、欧米の人に比べ、日本人は比較的穏やかであることが知られており、これは大豆食品からイソフラボンを多く摂取しているからだと言われています。
大豆製品のイソフラボン含有量は各1グラムあたりで、納豆1.3r、豆腐0.5r、油揚げ0.7r、味噌は製品でばらつきがあり0.4r程度、醤油0.02rですが、これだけ恵まれた食品がありながら、日本人のイソフラボン摂取量は十分ではないのです。理想摂取量は成人で一日約40rですが、近年の日本人平均摂取量は17.96rで、なんと半分以下です。若者の大豆食品離れで、世帯主が若いほど摂取量が滅少しています。せっかくの伝統的大豆パワーを広くアピールし、もっと大切にしたいものです。
月刊コーヨーライフより
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