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栄養小話 第26話 痴呆症をいかに防ぐか

 脳障害によって起こる痴呆の中で圧倒的に多いのは、脳血管障害によるものとアルツハイマー型痴呆です。お年寄りの痴呆の約80%が、この2つの病気が原因となっています。統計的には、お年寄りの痴呆は65歳以上で出現し、85歳以上で急激に増加して女性に高率で見られるようになります。しかし、85歳の時点でも、4-5人に1人という割合ですから、歳を取ると誰でも痴呆になるというわけではありません。

 ◎ひどい物忘れを自覚できないのが痴呆
 誰でも歳を取ると物忘れをするようになり、知っているはずの人名や地名などを思い出せないことがときどき起こります。これは「生理的な物忘れ」で、自然な老化現象なので心配ありません。問題は「病的な物忘れ」で、経験したことの一部ではなく全てを忘れてしまうという、もっと程度の悪化した状態であることが第1の特徴です。第2の特徴は、本人が痴呆の自覚に乏しいことです。そのため、社会生活を営むうえで、さまざまなトラブルが生じます。第3の特徴は、症状が物忘れにとどまらず、判断の障害や人格の変化、行動の異常なども加わってくることです。このような「病的な物忘れ」を中心とした症状の集まりを医学的に『痴呆』と言います。


◎食事のポイント

 脳への栄養としては、卵や大豆に多いレシチンやリン脂質、たんぱく質が脳組織を構成する主要栄養素であり、レバーや貝類に含まれるビタミンB1、B6、B12などもアセチルコリンを始めとした脳神経伝達物質を体内で合成・分解するのに必要なものです。必要な栄養素に配慮し、食事を規則正しく摂って血糖を正常に保つことが痴呆発症の予防になります。また、脳の血流低下によるアルツハイマーの症状を起こさないためにも動脈硬化の予防が大切です。そのためには、危険因子である高血圧や高コレステロール、肥満を予防し、喫煙しないこと、ストレスをためないことが大切です。そして、体内の脂肪が酸化すると動脈硬化が起きやすくなるので、抗酸化物質である緑黄色野菜や植物油に含まれるカロテンやビタミンC,Eなどをしっかり摂りましょう。こうした良い食生活の継続で痴呆の発症を遅らせることができるとされています。老いても健康でいるために、食生活に気を配りましよう。

◎痴呆のサインと初期症状のチェック

1.同じことを何度も言ったり、聞いたりする。
2.普段よく使うものの名前が出てこない。
3.置き忘れ、しまい忘れをする。
4.時間の感覚や自分のいる場所について不明確になる。
5.薬を飲んだか飲んでいないかわからなくなる。
6.出来事や趣味などに関心を持たな<なる。
7.水道やガス栓をよく閉め忘れる。
8.「財布を盗まれた」などと人を責める。
9.少し混み入った話になると理解できない。
10.単純な計算を間違える。
11.感情の起伏が激しく、怒りっぽくなる。
12.身だしなみを気にしていた人が、急に気にしなくなる。

 ※痴呆は軽い記憶障害から始まり、次第に状況判断ができなくなります。さらに悪化すると人格に変化が現れ、錯覚や妄想などの意識障害を起こすようになります。軽いうちの診察が大切です。

月刊コーヨーライフより 

 

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