栄養小話 第29話 リンゴはやっぱり健康食品-食べ方によって変わるその薬効
1929年ドイツの科学者モーロが、極度の下痢で苦しむ幼児たちに、ある果実をすりおろして与えたところ、たちまち腸の機能が改善されました。この発見は医学雑誌に紹介され、瞬く間に子どもの疾病に悩んでいた世界中の医師たちに受け入れられました。その「奇跡の果実」がリンゴです。この「すりおろしリンゴの効能」の発見を境に、幼児の年間死亡率が激減しました。以来、「すりおろしリンゴはお腹によい」が定説となり、現在でもヨーロッパでは「リンゴを食べれば医者要らず」ということわざがあります。このほかにも、リンゴの効能として、高血圧改善効果、疲労回復効果などが確認され、有効利用されてきましたが、モーロの発見以降70年間は、それ以外の栄養的価値の探求はなされませんでした。
○次々と発見された驚くべき効果
1999年秋に、リンゴにも老化防止やガン抑制の抗酸化作用があるという新しい効能が発表され、医学界を驚かせました。その内容を詳しく説明すると、
ポリフェノール効果
ガンや老化の誘因となる活性酸素を除去するポリフェノールが、皮付きのリンゴに大量に含まれています。皮付きのリンゴでは100gあたり104r、皮がなくても92r含まれていることがわかりました。リンゴはひとつ約200gの重量がありますから、1日にふたつ食べればかなりの量のポリフエノールが摂取できます。リンゴのポリフェノールのおもな成分は「エピカテキン」で、ポリフェノールとしては、一番活躍すると認められています。エピカテキンは活性酸素に単体で向かうのではなく、大勢で向かう特徴があるため、確実に活性酸素を退治できるのです。
ペクチン効果
リンゴに含まれる食物繊維の「アップルペクチン」は、水溶性で整腸作用があります。アップルペクチンはほかのペクチンと比べて、腸内の悪玉菌の発育に対して約2倍の抑制効果を発揮することが、富山医科薬科大学の田次賢次医学博士によって報告されています。また、悪玉コレステロールを減少させて善玉コレステロールを増やし、大腸ガンを抑制することも、農水省果樹試験場の田中敬一博士によって報告されました。そしてより興味深い発見は、リンゴに熱を加えると、大腸ガンの予防効果が3倍も高まることです。食物繊維が有害物質を一緒に体外へ排出するだけでなく、熱を加えるとペクチン効果が高まり、活性酸素を除去し、ガン細胞を作る物質に対して、解毒作用をすることがわかったのです。大腸ガン予防のためにも、毎日焼きリンゴ(120℃で30分加熱処理する)、または生で、丸ごと1〜2個食べるようにしたいものです。
月刊コーヨーライフより
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