栄養小話 第32話 ローズヒップの驚きの成分
ローズヒップの驚きの成分
ビタミンCはレモンの18倍、リコピンはトマトの8倍
ローズヒップとは、ノイバラ属の「野バラ」と呼ばれている"バラの実"のことです。春に白い五弁の花を咲かせ、その後3か月くらいで小指の先程の真っ赤に熟した実ができ、これを摘み取り天日で乾燥させます。野バラの実の中には、直径3〜4oくらいの楕円形の種子が約10個含まれており、この種子に不飽和脂肪酸や抗酸化物質(トランスルチノイン、フラボノイド類など)が含まれることから、オイルとして抽出し化粧品や医療品に利用しています。一方、外皮は皮だけを乾燥して挽いたものを、お茶、飲料原料、料理にと利用していますが、大変な健康効果をもつことから今回のお話にとりあげました。
◎世界中で愛されている健康食・飲料
野バラの実の薬効は日本ではあまり注目されていませんが、原産国のチリをはじめ、東欧や北欧など世界中でよく知られています。
例えば、チリでは神経症の改善に飲用され、ドイツでは入院患者は野バラのお茶を飲みます。アレルギー症、腎症、種々の内臓疾患をもつ人や妊娠後期の女性にも勧められています。スウェーデンではー週間に1回学校給食に野バラの実のスープを出すように義務づけられています。スイスでは児童用のガムに、アメリカでは肺ガン患者の飲料とするなど、ローズヒップは、ヨーロッパの人々の嗜好飲料の主役を務め、同時に健康増進の役割を果たしてきました。この伝統は今でも根強く受け継がれ、特にお年寄りに好まれています。
◎驚きの栄養素含有量
さて、野バラの実の成分ですが、まず特筆すべきは、ビタミンCの含有量が植物の中で一番多いことです。100g中に約822r含まれ、これはレモン生汁(約45r)の約18倍です。ビタミンCの働きは、
@免疫細胞を活性化し感染症に対する祇抗力をつける
Aコラーゲンの合成を助ける
Bストレスから体の機能を守る
C発ガン性物質の生成を阻止する
Dアレルギー症状を抑える
E3大成人病といわれるガン・心臓病・脳卒中の主な原因となる活性酸素の発生を防ぐ、
など体の中のさまざまな生化学反応を助けることです。そのほかには抗酸化物質として話題のリコピンがトマトの約8倍入っていること、鉄分がホウレンソウの約2倍、カルシウムが牛乳の約2倍、マンガンがワカメの約2倍、β-カロチンも、多いなど、健康維持に必要な成分を驚くほど豊富に含んでいます。またローズヒップにお湯をそそいでしばらくすると、沈殿物の粉に粘り気が出てきます。これは植物のコラーゲンと呼ばれるペクチンによるもので、体内に入ると肌の弾力を保ち、運動時の関節の動きを助ける作用があります。このように健康、美容、運動、と多面的効果をもつすばらしい成分を不思議なほど備えています。
ローズヒップの飲み方ですが、カップに残る沈殿物も全て食べてください。なぜなら、お茶の液体にはビタミンCが、沈殿物部分にはβ-カロチンをはじめ鉄分その他がたくさん含まれているからです。野バラのお茶は、まるごとの飲食が薬効を上手に摂る秘訣です。
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