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栄養小話 第37話 お酒をのめる人・飲めない人

お酒の代謝
 お酒は「百薬の長」といわれていますが、飲みすぎると肝臓や膵臓をはじめ多くの臓器や神経系に悪影響を及ぼすこともわかってしいます。日本人のお酒の消費口は増加傾向を示し、肝障害や依存症も年々増えていることから心配されてしいます。飲んだアルコールは胃、十二指腸、小腸で吸収され肝臓へ行き“アルコール脱水素酵素"によって分解され「アセトアルデヒド」としいう有害物質になります。これが血液中に多くなると顔が赤くなる、頭痛、吐き気などの症状が現れます。アセトアルデヒドは次に「アセトアルデヒド脱水素酵素」によって「酢酸」に分解され更に「炭酸ガスと水」に分解され尿や呼気と一緒に排泄されます。一般に体重60kgの成人男性の場合、分解できるアルコールは1時間に6〜9g程度です。日本酒1合にはアルコールが約23g含まれますから、これを無毒化するには3〜4時問かかりますので、少し飲みすぎると朝まで「アセトアルデヒド」が血液中に残り「二日酔い」となります。

お酒をのめる人・飲めない人
 日本人のうち、お酒が飲めるタイプとたくさん飲めないタイプはそれぞれ45%ずつで、残り10%は全く飲めないタイプです。この違いはアルコール分解酵素をもっているか、いなしいかで決まります。有害なアセトアルデヒドを分解する脱水素酵素には4つの種類があり、そのうち一番主要なものを「ALDH2」といいます。ALDH2 はさらに「ALDH2-1」と「ALDH2-2」という2つのタイプがありますが、このうち活性度の高い「ALDH2-1」をもっていると飲めるタイプ、なければ飲めないタイプとなります。どのタイプの酵素をもつかは、両親からもらった遺伝子の組み合わせで決まります。ALDH2-1を2つ持っているのなら飲める体質ですし、ALDH2-1とALDH2-2を1つづつ持っているならそれほど多くは飲めない体質です。そこでALOH2-1のみを2つ持っているならアセトアルデヒドの分解がほとんどできないので飲めない体質となります。このように人によってお酒に対する体質が異なるのは、日本人等のモンゴル系民族だけです。ゲルマン系やラテン系の欧米人等にはお酒を飲めない遺伝子を普通持っていないのでお酒を飲んでも顔が真っ赤になるということがほとんどありません。日本人など、東洋人のお酒による赤い顔は「オリエンタル・フラッシャー」と呼ばれています。

女性は男性よりアルコールに弱い
一般に成人男性の肝臓の重さは約1.5kg、女性は約1.3kgといわれています。こうした大きさの違いもあり、女性は男性より少ないアルコールで酔います。また、女性はアルコール性肝障害を男性より起こしやすく、起こすと重くなる傾向があるため、注意しましょう。

しだいに飲めるようになっても安心しないこと
お酒に親しんでいるうちにだんだん量を飲めるようになることがありますが、これはアルデヒドにする分解過程には「ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)」としいうもう1つの代謝経路があり、飲むうちに能力が向上するためです。しかし、次のアセトアルデヒドを分解する能力の向上は伴いませんので、結果的にはアセトアルデヒドが増加することになります。そこでお酒の適量は男性で飲める人でも1日2合以内(理想は1合以内)、女性やたくさん飲めないひとは、その3分の2程度に抑えておくのが肝要です。

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